エッセイ

頭の打撲が治るということ

小学生の男の子が操法を受けに来ました。彼が整体を受けに来た理由は花粉症でした。

しかし、目の焦点が合っていないし、頭に触った感じがどうにも変なので「なにか頭をぶつけた心当たりはないですか」と尋ねると、お母さんは「そんなはずはないんだけど」と答えました。

「打撲しているみたいなんだけどおかしいなあ」と思いながら僕がいつまでも頭ばかり触っているのを見て、お母さんは「頭蓋骨の骨折ならありましたけど、それはもう病院で治ったと言われましたから」とつぶやきました。

それだけのケガを病院で治ったと言われて鵜呑みにしている感性に僕はとても驚いたのですが、もしかしたら、外傷が治ったら打撲が治ったと思っている人は意外と多いのかもしれません。

なんといっても病院が「頭は治りました」と言ってるわけですから。

 

こういった、目で見える外傷が治ったけれどもなにかまだ変だ、という場合や、手術の後の回復を待つとき、手を当てることには病院でする治療とは全く違った効果があります。

 

彼の頭が治っていないと思った理由は、頭の中の気の流れが変だからです。

頭の気の流れは、頭頂部なら空に向かって立ち上がっているものですし、後頭部からは後方に向かってフワッと広がるように出ていく感じがあります。それがはっきりせず、流れに混乱があったり出ていけないと、頭にこもって充満します。

花粉症の人だったら、3月には頭の中が出ていけないものでいっぱいになっていることが実感できると思います。

この男の子の花粉症も、目の動きが変なのも、頭に気がこもって抜けていかないからです。

この子はたまたま花粉症になりましたが、ほかのものになっていても不思議ではありません。考えられるのは、チック症、歯ぎしり、中耳炎などですが、これらはすべて、頭の中にこもったものを外へ出そうとして起きる生理現象です。だから薬で止めるよりは、そのまま出してしまったほうが体にはいいのです。しかし、もっといいのは、手を当てて頭の中の気の流れのつっかえを取ってしまうことです。

打撲の手当ての実際

 頭を強打したのに、何も様子が変わらないことのほうが危険です。影響が中に入ってしまったということだからです。

 それは、体を壊すエネルギーが中に入ってしまったということです。しかし、それはエネルギーですから、手を当てて感応が起これば体の外に出してあげることができるのです。そのとき、手はアースのような役目をします。